YELL~あなたへの応援歌~2026Track♪2 『行動経済学を活用したセールススキルアップ講座⑥解っているけど決められない~決断を止める心理の正体とは~』

還暦の今年、大きな決断をしました。
嫁さんの実家がある仙台への移住、でも、仕事は東京でも続けますよ。
テーマは第二の故郷仙台福島への恩返し、65歳まではガッチリ働いてその後は年金もらいながらの働き方改革、ゴルフ場でクラブ拭きのオジサンでもやろうかと考えてました。
そんな決断の話と全く逆の決断できない話が今月です。
人って、合理的に考えた結果というより、「今のままでいること」に安心してしまう生き物だよね、という話。
で、今回はその続きは、現場でよく起きるあの場面の話です。
説明は通っている。質問にも答えている。「なるほどですね」「分かりました」も出ている。
それでも最後は、「少し考えます」「検討します」。
このとき、どう感じます?
「まだ納得してないのかな」「もう一押し必要かな」
そんなこと、頭をよぎりませんか。でもね、実際は違うことが多い。
相手はもう分かっている。分かった上で、決められない。
ここで起きているのは反対でも拒否でもありません。
分かっている自分と、決めたくない自分が同時にいる状態。
これ、けっこうしんどいんです。
理解は頭の仕事。決断は感情の仕事。似てるようで、やってる場所が違う。
決めた瞬間から、「自分で選んだ」という事実が残る。
もし結果が思わしくなかったら?その責任は、誰のものか。そう、自分。
だから人は無意識にブレーキを踏む。
決めなければ失敗もしない。動かなければ責任も生まれない。一度、今の場所に戻れば、心は落ち着く。「検討します」って言葉、逃げでもごまかしでもなくて、
自分を守るための自然な反応なんですよね。
ここでセールス側がやりがちなのが、「じゃあ、もう一度整理しますね」と言って、
情報を足す。理屈を重ねる。メリットを強く言う。
でも正直、迷っているときに情報が増えると、余計に決めづらくなる。
これ、経験的にも感じてる人、多いんじゃないかな。
選択肢が増えるほど、「間違えたくない」が前に出る。結果、動けなくなる。
この段階で必要なのは、押すことじゃない。説得でもない。
決断の重さを、少し軽くしてあげること。
全部を一度に決めさせない。大きな話を、小さく分ける。「今日はここまででいいですよ」って、線を引く。
それと、もう一つ大事なことがある。「決めづらい理由」、こっちから言葉にしてあげること。
変えた後が不安なのか。今じゃない気がするのか。
決めた自分が責任を負うのが引っかかっているのか。
「たぶん、ここですよね」って投げると、相手が「そう、それです」って返してくる。
このやり取りが生まれた瞬間、説得する・される、じゃなくなる。
同じ方向を見て考え始める。
決めない人は、弱い人じゃない。むしろ、ちゃんと考えている人ほど、簡単には決められない。だからセールスって、相手を動かす仕事じゃなくて、
安心して決めてもらえる場所をつくる仕事なんだと思っています。
「なぜ変えないんですか?」じゃなくて、「この人、何を一番守ろうとしてるんだろう?」
その問いを持てたとき、セールスは急に静かになる。でも、前には進む。
行動経済学×セールス。
判断の話を重ねてきて、ここでようやく「決断」というところまで来ました。
次は、その決断が、どんな条件で生まれるのか。
そこを一緒に考えていきましょう。
~つづく~


